「ものをつなぐ」〜欧州ヴィンテージ家具のリペアデモンストレーション〜

今ではまず手に入らない樹齢100年近い貴重な銘木(チーク・ローズウッドなど)が使われている1950年〜60年代の北欧・ヨーロッパのヴィンテージ家具。その美しさに魅せられ、長い年月の中で傷ついてしまったものや汚れてしまったもの、あるいは壊れてしまったものを修理・修繕しこの先の未来へとつなぐことを生業とする人が中野上町にはいます。

名前は岡本道雄さん。学生時代からヴィンテージの世界に入り、20年近いキャリアを持つ人です。岡本さんのお店「MICHIO OKAMOTO WAREHOUSE」は、中野上町の片隅、人通りもほとんどないような細い細い路地の奥にあります。2階建ての元倉庫を改修したお店は1階がリペアの工房に、2階が倉庫兼ショールームになっています。

店内には前述のヴィンテージ家具がところ狭しと並べられています。どれも美しい木目をもち、シンプルでしっかりとした作り。50年以上も前のものを特徴を活かしながら丁寧に直し、またこの先50年使い続けるようにしていくのが岡本さんの仕事です。

例えば、水や油などで塗装にムラが出てしまった家具は、剥離剤で塗装を剥がした後、丹念にやすりをかけ、色の違いの出ないように丁寧に再度塗装を施します。背もたれの折れた椅子は折れた箇所を見極め、合う木を削りだし、折れた部分を補って修復します。椅子の貼り替えなどもそのものの持つ雰囲気を損なわないように、イメージに合うものを吟味し貼り替えます。

その仕事はあまりにも丁寧で美しく、ひと目みただけではリペアが施されたものだとはわからないほど。実際、ぼくはほとんど新品に近いようなものを選んで買い付けているものとばかり思っていました。

今回の0041walkでは、そんなMICHIO OKAMOTO WAREHOUSEのリペアの工程を岡本さんの解説付きでご覧いただけます。普段から1Fの作業場の奥で行っているものの、解説付きのデモンストレーションはこのイベントならでは。作る、使うばかりではなく、その先の”つなぐ”を形にしている仕事をぜひご覧ください。

日時:7月13日(土)14:00〜
所要時間:40分
参加費:無料
会場:MICHIO OKAMOTO WAREHOUSE
東京都八王子市中野上町5-3-4)
ご予約・お問い合わせ:info@michiookamoto.com
Text:藤枝大裕(装いの庭